「まちづくりはひとづくり」
そう話すのは、常陸frogsを1期から応援してくださっている、株式会社ヤマオコーポレーション代表の鬼澤慎人(おにざわ・まさと)さん。地元である水戸のまちを、茨城県を、日本を元気にしたい。との想いから、全国各地で企業の経営品質の普及・支援活動や、自治体での行政経営改革、組織変革、人材育成の支援に取り組んでいます。
そんな鬼澤さんに、『常陸frogsを応援する理由と、茨城の未来』について話を伺いました。
プロフィール
鬼澤慎人さん
株式会社ヤマオコーポレーション 代表取締役
1962年 茨城県水戸市生まれ。水戸市在住。
茨城県内だけでなく、全国各地で企業の経営品質の普及・支援活動に積極的に取り組んでいる。専門分野は「経営品質」と「リーダーシップ」。
また民間だけでなく、行政に対しても地元茨城県をはじめ多くの地方自治体で行政経営改革、組織変革、人材育成の支援を続けている。
<まちづくりはひとづくり>
ー鬼澤さんがfrogsの取り組みを知った経緯を教えてください。
幼い頃から、祖父や父に「まちを良くすることが大事。まちを良くすることで、会社も良くなる」と教えられていて、水戸のまちが元気になるにはどうしたらいいか?をずっと考えていました。
大学を卒業後、日本の銀行と米国の投資銀行で働きました。その後、水戸に戻ってきて、まちに元気がなくなってきている、時代の大きな変化を感じていたとき、「経営品質」という言葉に出会ったんです。これからの経営は、売上げ・利益などの数字だけではなく、経営の品質を高めて顧客価値創造をし続けること。その一番ポイントは人が育つこと、そしてリーダーシップが大切だと気づかされました。
そこで、経営品質の普及・支援活動をするNPOを立ち上げたり、実際に全国の企業や地方自治体の現場に行き、経営品質向上の支援、組織変革、人材育成の支援を行うようになっていきました。さらにまちを元気にするプロジェクトをいくつもつくりました。まちが元気になるためには、まちの中小企業が元気で、自治体が良くなり、「自分のまちをなんとかしよう!」と思う住民が増えなければならないと強く思ったからです。”まちづくりはひとづくり”なんです。そしてリーダーシップを学ぶために米国シアトルのワシントン大学に何度も行きました。家業を継ぐために水戸に戻って来たのですが、結局、自分で起業してしまいました。
ありがたいことに、たくさんの地域からご縁をいただく中で、沖縄の知人がRyukyufrogsと引き合わせてくれました。Ryukyufrogsオーガナイザーの山崎さんを紹介していただき、お話を伺い、その場で「茨城でもこの取り組みを実現させたい!」と思ったんです(笑)。そして2017年12月にLEAP DAYに初めて参加して確信しました。
*常陸frogs Organizer菅原がfrogsの取り組みを知ったのも、鬼澤さんがきっかけ。鬼澤さんにご紹介いただき、2018年2月沖縄にて、All-frogs General Organizerの山崎さん(写真左から2番目)・畑中さん(写真左)から話を聞く機会に恵まれました。
<未来を担う若者の成長を、地域企業が支える>
―鬼澤さんがfrogsを応援する理由につながってくると思うのですが、frogsのどのような点に魅力を感じたのでしょうか?
ひとつは、強烈な原体験ができるという点。よくある研修プログラムではなく、学生たちがシリコンバレーへ行ったり、世界で活躍されている方々から直接話を聞いたりといった強烈な原体験をして、覚醒していく。これは魅力的です。
もうひとつは、地元企業を中心とした協賛から成り立っているという点。企業は自分たちに見返りがないと、お金が出しにくい。協賛が多いというのは、自社の利益だけを考えるのではなく、子どもたちのため、地域のため、未来のために協賛(投資)をしている企業が地域にたくさんあるということ。それって素敵だな、と感じたんです。僕は「自分たちもまちをつくる1つの企業として、地域やこの国の未来のために何ができるか?」を考えるのが企業の使命だと思っています。
ー1期から3期まで協賛企業として関わっていただく中で、frogs流人財育成の効果として感じることはありますか?
選抜生たちの内側では、それぞれものすごい変化が起きているはず。ただ、その変化が実際に地域や社会に対してどれだけの貢献ができているかは、まだ未知数。それでも毎年、協賛企業が増えているということは、茨城の未来を担う子どもたちに投資する企業が増えてきていると言えますよね。これは地域にとって良い効果だと感じています。もっと多くの企業に知ってもらい、関わってもらいたいですね。
*2021年10月の合宿で、鬼澤さんの研修を受ける常陸frogs3期生たち。テーマは『未来を創るリーダーシップ』。鬼澤さんからの言葉や問いに、心動かされたようす。
<支援が循環する茨城に>
―今後の常陸frogsに期待することを聞かせてください!
常陸frogsが立ち上がって3年。いま、県や国、学校でもアントレプレナーシップの取り組みが増えてきています。アントレプレナーシップという言葉が広まり、frogsの取り組みへの理解が得やすくなった一方で、常陸frogsとしてどうユニークさを出していくかが今後重要になってきます。時代が追いついてくるということは、その1歩2歩先を行かなければ価値が生まれません。大変でしょうが、今後の動きに期待しています!
―最後に、鬼澤さんが思う、10年後の茨城県の理想像を聞かせてください!
常陸frogsの”自分で未来を切り拓いていく人財を育成する”という視点で考えると...『プログラムを経験した子たちが、人を支援する側に回っている』というのが理想です。自分が成長してきた過程を、次の世代に自らつなげていく。そして人の支援をすることは、自分の成長につながるんだと実感するでしょう。未来は人が創る。10年後の茨城に、未来を担う人が育っていくような支援の循環が生まれていたらいいなと思っています。
*鬼澤さんのリーダーシップ研修を受け、完全燃焼の常陸frogs3期生。(下段左から、夛田さん(ゆげさん)・熊谷さん(りゅうき)・里井さん(るみな)・湯川さん(ゆるしー)。
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